「派遣社員って給料が低いイメージだけど、なんでバイトより時給が高い求人が多いの?」
「派遣社員で給料を上げる or 高収入になれる方法ってないの?」
「派遣社員」自体はよく聞くワードでも、上記のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、派遣社員の給料実態と給料UPの攻略法、よくある質問まで幅広く紹介します。
まずは、基礎知識として派遣社員とその他の雇用形態の平均時給・年収の比較と派遣社員の給料体系について見てみましょう。
全国 | 東京都 | 東京都 以外 | |
---|---|---|---|
派遣社員 | 1,569円 | 1,697円 | 1,482円 |
アルバイト ・パート | 1,276円 | 1,379円 | 1,198円 |
派遣社員の給料体系
- 時給制:時給×就業時間⇒主流
- 出来高制:成果に応じて給与が発生
- 基本給+諸手当:基本給+交通費など
上記の通り、平均時給はアルバイト・パートより約300円ほど高いのに対し、平均年収ではアルバイト・パートより高いものの、正社員より約250万円ほど低いとわかります。
ではなぜ「派遣社員=時給は高いが年収は低い」という構図になるのか、ぜひ以下からご覧ください。
派遣社員はなぜ時給が高くて年収が低い?給料の仕組みとそのワケ
派遣社員が一般的にアルバイト・パートより時給が高く、正社員より年収が低くなる主な理由は以下の通りです。
- 採用コストの削減を時給に還元
派遣会社が募集~採用まで対応
派遣先企業は削減した人件費を
給与として反映できる - 専門スキルを持つ即戦力の人材確保
専門職は特に人材獲得の競争率が高いため、
より魅力的な高時給の提示で
優秀な人材獲得を目指す - 昇給できない補填
派遣社員は就業期間内の昇給が
見込めない雇用形態のため、高時給で待遇
- 勤務期間が不安定
※有期雇用(1ヶ月~3年)かつ
雇用期間終了後次の仕事を見つけるまでに
無収入の期間が生じる場合がある
※日雇い派遣は除く - 昇給・残業がほぼない、
賞与(ボーナス)がなかった
派遣社員は基本的に固定時給のみ
イメージとしては、時給は高いもののそこからさらに給与が上がったり、時給以外の手当などがほぼ発生しないのが派遣社員の特徴です。
もちろん残業が発生した場合は給与に反映されますが、基本的に固定時間制やシフト制の派遣先企業が多いため、残業の機会は少ないでしょう。
賞与がないだけで変わる?|派遣社員と正社員の年収シュミレーション
では、実際に賞与(ボーナス)の有無で年収にどれだけの差が出るのかを比較してみましょう。
今回は、派遣社員・正社員どちらも【週5フルタイム勤務(40時間/週×4週間=160時間)&ほぼ同額の月収】を前提に計算します。
時給:1,600円
月収:1,600×160時間=256,000円
年収:256,000円×12ヶ月
=【3,072,000円】
月収:250,000円
賞与(年2回):月収の2倍×2回
=250,000円×2倍×2回
=1,000,000円
年収:250,000円×12ヶ月+1,000,000円
=【4,000,000円】
上記の通り、月収時点ではほぼ差分がなかったにも関わらず賞与の有無で年収では100万円近くの差が生じたとわかります。
上記で用いた正社員の年収と同額を週5フルタイムの同条件で派遣社員で稼ぐとなると、時給25,000円の求人となるため現実的に難しいでしょう。
よって、正社員と派遣社員の年収格差は主に賞与(ボーナス)の有無によるものであると言えます。
派遣社員の年収は安すぎ!?2020年からの革新【同一労働同一賃金】
これまで賞与や退職金などの諸手当は、正規雇用(正社員)のみ支給対象であるのが一般的でした。
しかし、2020年の同一労働同一賃金の発足で派遣社員を含む非正規雇用でも一定の条件を満たせば諸手当が支給されるようになりました。
同一労働同一賃金とは
正社員と非正規雇用労働者間の格差を失くす動きのこと
以下では、派遣社員でも諸手当がもらえる条件と特例として条件を満たしていても支給対象にならない場合を併せて紹介します。
支給される条件
- 派遣先企業が賞与・退職金制度を
導入している - 派遣先企業で1年以上勤務している
- 派遣先企業の※正社員と同一の労働内容
※就業状況、仕事内容すべて
支給されない特例
- 派遣先企業の業績が悪化している
- 派遣先企業の財政状況が悪化している
- 派遣先企業が存続の危機に瀕している
諸手当の支給条件を満たすにあたって注意しなければならないのは、賞与・退職金の支給はそもそも義務ではない点です。
諸手当の支給は雇用契約書の記載有無で法的効力の有無も異なります。
つまり、雇用契約書にそもそも諸手当に関する記載がない場合、企業が諸手当を支給する必要はありません。
もし諸手当の支給有無を知りたい場合は派遣先企業の雇用契約書をよく確認するか、派遣会社に確認しましょう。
派遣社員は残業代では稼げない?|半数以上が1週間あたりの残業時間なし
引用:一般財団法人 日本人材派遣協会
上記の通り、実際の派遣社員の平均残業時間は6割以上が「残業なし」、残業している人の中でも「1時間程度」の回答が最も多いとわかります。
職種によっては残業が発生したり、固定残業代が支給される給料体系を採用している企業もあるため、残業代で稼ぐのも現実的に無理ではありません。
とはいえ、やはり上記の回答からも一般的な派遣社員は残業自体がほぼないに等しいため、どちらかといえば残業せずに働きたいワークライフバランス重視の人が向いていると言えるでしょう。
派遣の給料は上がらない?派遣社員で年収1,000万を目指す方法
派遣社員の時給が高い理由の一つとして「昇給できない補填」がありますが、つまり「派遣社員=一生給料が上がらないってこと?」と思った方もいるでしょう。
そんな方のために、ここからは実際に派遣社員で効率よく給料UPを狙える具体的な攻略法を紹介します。
下記の3つの中で気になるもの、自分の条件に合いそうなものからチェックしてみましょう。
※以下の各行をクリックすると該当箇所に飛びます。
専門性の高い求人を狙う
派遣社員は一般的なアルバイト・パート求人よりも高時給な傾向にありますが、中でも特段時給が高いのは専門職の求人です。
現時点での専門職系求人の平均時給額トップ5は以下の通りです。
- 情報技術系
⇒平均時給:2,310円 - 医療・福祉系
⇒平均時給:2,070円 - 建築・土木系
⇒平均時給:1,930円 - デザイン・クリエイティブ系
⇒平均時給:1,890円 - 経営・コンサルタント系
⇒平均時給:1,830円
参照:厚生労働省
特にIT系、医療系をはじめとする資格取得や高度な専門スキル、技術が必要になる職種は高時給や年収ベースで募集する求人が多い傾向にあります。
資格取得や専門スキルといっても中には初心者でも簡単なものも多くあり、派遣会社では取得支援のサポート体制が揃っているのも特徴です。
上記についてもう少し詳しく知りたい方は、派遣会社の無料セミナーや講習についても併せて確認しましょう。
長期の求人に応募する
派遣社員で高収入を目指していく中で、長期の求人を狙うのも一つの方法です。
なぜなら雇用期間が長いほど自身と企業の信頼性も構築しやすくなり、社員登用や給与交渉のチャンスも増えるなどの大きなメリットがあるからです。
では、給与交渉のタイミングや具体的な交渉時のポイントを以下で詳しく見ていきましょう。
- 自分のスキル・職種の市場価値と
給与相場を理解し、金額を提示する
代替案(福利厚生や各種手当の支給など)
も考えておくと◎ - 就業先での自身の実績・成果を
交渉材料として示す
繁忙期を避け、交渉時期を見極める
⇒契約更新時や実績を出したタイミングなど - メールではなく、直接面談で交渉
- 交渉失敗も念頭に置きつつ、
企業側に配慮して相談する
ネガティブな発言はNG!
長期的な関係構築のために引き際も大切に!
もし交渉に失敗しても継続していれば再度交渉の機会が訪れたり、業績に応じて企業側から検討してもらえる場合もあるため心配はありません。
また、1年以上の雇用契約で賞与・退職金の支給対象となる場合もあります。
支給有無は企業によって異なるため契約前に確認する必要がありますが、支給される可能性があるのは長期求人だけのメリットです。
上記に関しては、派遣社員の賞与・退職金の詳細をぜひチェックしてみてください。
派遣会社の無料セミナーや講習でスキルアップする
派遣社員として働く大きなメリットとして、転職のためのフォローアップ体制が豊富に整っている点が挙げられます。
最初は資格や専門スキルがなくても、派遣会社が実施する無料セミナーなどを働きながら&転職先を探しながら希望に応じて受講可能です。
- PCスキル(基礎・応用)
- ビジネスマナー
- 英会話
- 専門スキル(CAD、経理、貿易など)
- 資格取得(簿記、TOEIC、MOSなど)
- キャリア相談
※実施有無、講習の種類は派遣会社によって異なります。
上記を活用しながら新たなスキルや資格を身に着ければ、給与交渉のきっかけや高時給の求人に応募できる機会も増えるでしょう。
今まで特に専門職の経験がない方でも、派遣をきっかけに新たなキャリアアップを検討してもいいかもしれません。
派遣社員の給料に関するよくある質問
ここからは、派遣社員の給料面でよく寄せられる質問をまとめました。
下記から知りたい質問をクリックして、派遣で働く前に抱いている不安を解消しましょう。
※以下の各行をクリックすると該当箇所に飛びます。
派遣社員は社会保険に加入できる?
社会保険の加入条件を満たせば、雇用形態に関係なく加入できます。
社会保険の加入条件
- 週の労働時間が
20時間以上30時間未満 - 月々の給与が8.8万円以上
- 2ヶ月以上の雇用見込み
- 学生ではない
※休学中、定時制、通信制の場合は除く
注意
①、②は※フルタイムの場合のみ
上記以外はフルタイムの3/4以上の
労働時間・日数を満たせば加入対象
⇒週3以上、1日あたり6時間以上勤務の人
※フルタイム=週5勤務、8時間勤務として算出
参照:厚生労働省
自身の状況に応じて加入有無を検討し、勤務日数や勤務時間を調整しましょう。
派遣社員は年金をもらえないって本当?
年金の支給に雇用形態は全く関係ないため、厚生年金または国民年金を収めればもらえます。
ただし、将来もらえる金額、納める金額は上記どちらの納め方かで大きく異なります。
上記2つの違いについて簡単に比較したい方は、下記から確認してみてください。
厚生年金と国民年金の違いを見る
※クリックするとタブが開きます。
厚生年金 | 国民年金 | |
---|---|---|
加入対象 | 社会保険に 加入している人 | 厚生年金に 加入していない人 ※20歳以上60歳未満 |
納付額 | 給付・加入期間 により変動 | 一定 |
納付手続き | 基本的に 給与から天引き | 自身で納付 (納付書、クレカ、口座振替など) |
年金額 | 加入期間、納付額による 一般的に国民年金より高額 | 加入期間、 納付額による |
派遣社員でも有給休暇は取れる?
派遣社員でも同じ派遣先企業で半年以上勤続すれば有給休暇は付与されます。
有給休暇の付与日数について見る
※クリックするとタブが開きます。
引用:厚生労働省
引用:厚生労働省
上記の通り、有給休暇の付与条件に雇用形態の種類は関係ないと厚生労働省が定義しています。
唯一注意すべきなのは、半年以内の雇用期間での契約時は付与対象外になる点です。
有給休暇は一定の勤続日数の条件を満たせば誰でも取得できるため、有給を活用したい方は求人の雇用期間を事前によく確認しましょう。
派遣社員の給与の支払いは月額払いのみ?給料の仕組みは?
派遣社員の給与支払い方法は主に以下の5つです。
- 月額払い
月末または翌月に
1ヶ月分の給料が支払われる - 週払い
前週までの給料が翌週に支払われる - 日払い(単発の仕事の場合)
勤務した当日分の給料がその日に支払われる - 半月・隔週払い
月に2回決められた日に
2週間分の給料が支払われる
⇒例:毎月15日と月末が給料日 - 前払いサービス
※「日払い」と記載される場合が多いが、
前述の「日払い」とは全く異なるので注意- 給与の一部(50~80%)が勤務当日
または翌日中などすぐに支払われる
残りの給料は同月~翌月までの
派遣先企業が定めた給料日に
まとめて支払われる - 1回の利用ごとに
手数料が発生する場合が多い
急な出費には対応できるが、
手取りを減らしたくない方は非推奨
- 給与の一部(50~80%)が勤務当日
また、上記の給与は派遣先企業から直接ではなく派遣会社を通して支払われます。
派遣社員の大きなメリットの一つとして、様々な雇用形態の中でも給与支払い方法がかなり柔軟な点が挙げられます。
ただし各支払い方法の対応有無は派遣会社によって異なるため、登録前に確認が必要です。
派遣会社を通したスキルアップで、効率的に高収入を目指そう!
最後に、上記までの内容を踏まえたうえで派遣社員に向いている人の特徴をまとめました。
※以下の各行をクリックすると該当箇所に飛びます。
派遣社員は全体的に高時給の求人が多いものの、同じ派遣先企業の同じ職種の求人でも派遣会社によって給料が前後する場合があります。
その他にも福利厚生やキャリアサポート・掲載職種の傾向なども大きく異なるため、様々な派遣会社を比較したうえで登録先を決めましょう。
派遣社員ならではの多くの利点を活用し、効率的なキャリアアップと高収入を叶えてくださいね。
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