就職活動や転職活動で必ず聞かれる「自己PR」。
履歴書やエントリーシートだけでなく、面接でも問われるこの質問は、応募者がどのような人物なのかを企業側が見極めるための重要な判断材料になります。
企業が自己PRを尋ねる目的は主に以下の3点です。
- 応募者の強みや価値観を知るため
- 採用後の業務に
どう貢献してくれるかを判断するため - 職場環境や組織に
フィットするかを見極めるため
つまり、単なるアピールではなく「自分を採用すべき理由」を端的に伝える場です。
本記事では、初心者でも理解しやすい「自己PRの基本構成」や「書き方のコツ」、すぐに使える例文まで徹底的に解説します。
これから自己PRを準備する方はもちろん、見直したい方もぜひ参考にしてください。
【基礎】自己PRは”結論から”書く!書き方の全体像と短い例文も紹介
自己PRで最も重要なのは「最初に結論を伝えること」です。
なぜなら、採用担当者は多くの応募書類を限られた時間でチェックしており、要点が不明瞭だと最後まで読まれない可能性も…
また、この「最初に結論を伝えること」は、今後どこの企業で働くうえでも必須のスキルになるため、必ず押さえておきましょう。
自己PRを書くときの大まかな流れは以下の通りです。
※以下の各行をクリックすると該当箇所に飛びます。
上記を意識しながら書けば、かなり読みやすくまとまりのある自己PRを執筆できます。
冒頭から or 行き詰ってる箇所のみでも、各項目の要点をチェックしてライバルたちを出し抜く自己PRを作成しましょう。
①結論=「自分の強み」を簡潔に書く
自己PRは、最初に自分の強みを一言で明確に伝えることが最重要です。
「私の強みは○○です」と結論から述べると、読み手に意図が伝わりやすくなります。
まずはこの基本を押さえたうえで、下記のポイントを意識しましょう。
- 企業研究がかなり大事
例:「接客が得意」
営業職⇒◎
工場勤務⇒✖
企業・希望する職種の特性を理解したうえで、
活かせる強みが何かを考える
=④を逆算 - 複数個ではなく、
あえて1つの強みに注力して書く
⇒書きすぎてもかえって
何が強みなのかが薄くなる
「1つの強みでは薄いから
何個も挙げているのでは?」
とイメージダウンにつながる可能性も
「企業が求める人物像に合った強み」を1つに絞って簡潔に提示するのが、効果的な自己PRへの第一歩です。
②強みになったきっかけ・経験談
冒頭で「強み」を明確にしたら、次はどのような課題解決・アプローチを経てその強みを得たのかを簡潔に説明します。
次に紹介する構成のポイントを押さえ、説得力があるエピソードを作りましょう。
- 苦労した状況⇒自分の強みを発揮
⇒問題解決のイメージ(=STAR法)
で書くと書きやすい(逆境話など) - 対人・集団に影響を与えたエピソード
だとなお良い◎
⇒④の「企業に与える効果」に通ずる
例:職場、サークル(部活)、
クラスでの出来事など
S (Situation) | 苦労した状況、背景 (課題・問題のあった環境) |
---|---|
T (Task) | その中で自分が任された役割 |
A (Action) | 課題解決のために 自分がとった行動 (=強みを発揮した場面) |
R (Result) | 解決結果、周囲への影響、 学びや成長 |
「強み」は、裏付けとなる経験があってこそ信ぴょう性が生まれます。
実際のエピソードを具体例として活用し、「強み」にインパクトをプラスしましょう。
③②で具体的に何を得たか・学んだか
エピソードを語ったあとは、「その経験を通じて自分がどう成長したか」「何を得たか」を明確に伝えましょう。
▼使えるフレーズ例
- 「この経験を通じて、
○○の重要性に気づきました」 - 「△△を意識するようになり、
仕事の進め方も変わりました」
実際に得たものに加えて、
周囲からの評価も添えると信頼性アップ
▼例
「上司や同期、友人から
○○と言われた(評価された)」
【注意!】
得たものは"具体的に"
「成長しました」だけでは曖昧
⇒「どう成長したか」を必ず明記
上記の通り、自身の主観のみではなく、第三者に与えた影響・第三者からの意見を交えると、さらに内容に深みと説得感が増します◎
④自分の強みが企業に与える or 期待できる効果
自己PRの締めくくりには、あなたの強みが企業でどのように役立つか、どんな貢献ができるかを明確に伝えましょう
ここが「採用したい」と思ってもらえるかの分かれ道です。
「自分の強み」の主張のみだと自己満足の印象を与えてしまうので、"この会社だからこそこんな影響を与えられる人材"とさらに一押ししましょう。
【最重要】
"企業目線"でまとめる
- 自分の強みが活きる場面を想定する
▼例
「チーム内での連携が必要な場面で、
積極的に調整役として携われる」 - 業務にどう活かせるかを明言する
▼例
「目標達成への粘り強さを活かして、
営業として売上に貢献したい」 - 企業の価値観や事業とリンクさせる
▼例
「御社の"お客様第一"の姿勢と、
自分の丁寧な接客スタイルは相性が良い」
上記は、企業理念や社風の事前リサーチがかなり大きな影響を及ぼします。
"どの会社でもいいわけではない"と伝わるよう、選考を受ける企業については徹底的に調べておきましょう。
自分の長所が見つからない!会員登録なしで自己分析ができる無料ツール3選
「自己PRでアピールする長所・短所が思い浮かばない」「自分にどんな強みがあるのかわからない」そんなお悩みを抱えている方も少なくありません。
そんな方は、会員登録不要・完全無料で使用でき、スマートフォン一つで手軽に診断できる自己分析ツールを使ってみましょう。
今回はその中でも、厳選した3つの自己分析ツールを紹介していきます。
※以下の各行をクリックすると該当箇所に飛びます。
上記はすべて、表示される質問に主観で答えていくのみで、そこから導き出される長所・短所を書き連ねてくれます。
万が一自己PRの内容に行き詰まったら、ぜひこの中から気になるツールを使用してみてください。
16Personalities(MBTI)
引用:16Personalities
- 所要時間:10~15分
- 診断結果:
性格タイプ・長所・短所・
仕事傾向・人間関係の特徴など
16Personalitiesは、世界中で数億人が利用している定番の性格診断ツールです。
心理学理論に基づいた「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」をもとに、自分の性格タイプを16種類の中から診断してくれます。
参照:16Personalities
上記の中から、ISTP(巨匠)に分類された診断結果を一例として紹介します。
引用:16Personalities
上記のように、「性格特性」「キャリアパス」「自己成長」「人間関係」の4視点から、かなり綿密な内容を提供してくれます。
一部課金が必要な箇所もありますが、無料でもこの膨大な分析を確認できるため、ほとんどの方には必要ありません。
自己PRへの活用のみならず、そもそも自分がどのような職、環境に合っているのかという根本の分析も可能なため、就活にお悩みの方にもおすすめです。
長所&短所アナリティクス
引用:長所&短所アナリティクス
- 所要時間:10〜15分
- 診断結果:
長所・短所のキーワード、
アドバイスコメント付き
「長所&短所アナリティクス」は、40問の質問に答えるだけで自分の性格傾向・行動パターンに基づいた長所・短所を自動で分析してくれるツールです。
実際の診断結果ページの一例を紹介します。
引用:長所&短所アナリティクス
上記のように、長所と短所を各3つずつ出し、さらにその各3つに対しての詳細を書き出してくれます。
診断結果をもとに、自身にもっとも当てはまるまたは書きやすい長所と短所をそれぞれピックアップすれば、自己PRの内容もかなり考えやすくなるでしょう。
また、短所については「ポジティブに捉えたら」という視点変換のアドバイスまで教えてくれます。
「短所ではあるものの、こういった場面では役立たせられる」といった主張は、大きなアピールに繋がります。
上記のような視点の変換は、自己PRのみならず社会で働くうえでも重要な考え方なので、とても参考になるでしょう。
マイナビウーマン あなたの長所診断
引用:マイナビウーマン あなたの長所診断
- 所要時間:約3〜5分
- 診断結果:
長所1つ+解説
「マイナビウーマン あなたの長所診断」は、10の質問にYESかNOで答えるのみで、あなたの長所+長所の解説を分析してくれます。
実際の診断結果の一例は、以下の通りです。
引用:マイナビウーマン あなたの長所診断
紹介したツールの中で、最もシンプルなつくりであるが故の手軽さが大きな魅力です。
質問も難しく考える必要がない内容ばかりなので、サクッといとも簡単に長所を書き出してくれるのは便利でしょう。
ただ、このツールは長所のみに特化しており、短所やその他の診断はできません。
短所をはじめ、その他の多彩な角度から自己分析を行いたい方は、別ツールでの診断をおすすめします。
【参考OK!】自己PRでどの職種でも使いやすい長所と例文5選
「自己PRで何をアピールすればよいかわからない」「どんな業界・職種にも通用する強みってあるの?」と悩む方は少なくありません。
そんな時は、業界・職種を問わず幅広く評価されやすい長所を押さえておくと安心です。
特に以下のような特性は、個人プレー・チームワークのどちらの職種でも通用しやすい汎用性の高いアピールポイントです。
ここからは、上記に挙げた5つの長所について、それぞれの具体的な活かし方や例文を紹介していきます。
どれも参考にしやすい内容となっているので、まずは自分に一番近いと感じるものからチェックしてみましょう。
責任感が強い
責任感は、業種や職種を問わずどの企業でも高く評価される長所のひとつです。
「最後までやり抜く力」や「自分の行動に対する意識の高さ」をアピールすれば、信頼性のある人物として印象づけられます。
私の強みは、責任感の強さです。前職では小規模なECサイトの運営に携わっており、注文処理から顧客対応、在庫管理まで幅広く担当していました。ミスが売上や信頼に直結する環境の中で、期日厳守と正確な作業を徹底し、1年間クレームゼロを継続しました。「◯◯さんに任せれば安心」と社内外から評価をいただけた経験から、責任感を持って行動することの重要性を実感しました。
💡Point
- 「何を任されていたか」
「どう責任を果たしたか」
を具体的に示す - 自分の責任感が
「成果」や「信頼」につながった
という流れで説得力アップ◎
責任感は「信頼して仕事を任せられるかどうか」を判断するうえでの重要な基準です。
特に継続的に結果を出してきた経験があれば、より説得力のあるアピールになるでしょう。
向上心の高さ
新しい環境や仕事に対して前向きに取り組む姿勢は、どの業界・職種においても評価される要素です。
特に未経験からチャレンジしたい方やキャリアアップを目指す方にとって、「向上心の高さ」は強みとして非常に有効です。
私は向上心を持って日々学び続ける姿勢を大切にしています。前職では未経験から営業事務に就きましたが、業務効率を上げるために独学でExcelの関数やマクロを学び、日報の自動化を提案・実現しました。その結果、チーム全体の作業時間が削減され、上司からも「自発的に改善できる人材」として評価をいただきました。
現在も業務に関連する資格取得を目指して勉強を続けています。
💡Point
- 自分で課題を見つけて
行動に移した経験を含める - 「学び→実践→成果」
の流れを意識 - 取り組みの内容が
成長にどうつながったかを明示
向上心は行動によって証明されます。
単に「学ぶ意欲があります」と伝えるだけでなく、それがどう仕事に貢献したかまで落とし込み、説得力のある自己PRに仕上がります。
継続力
「継続力」は、日々の積み重ねが成果を生むような仕事において、高く評価される強みです。
業務の習熟や信頼構築が求められる職種において、安定したパフォーマンスを発揮できる要素になります。
私は、目標に向かって継続して取り組む姿勢を強みとしています。大学時代は語学力向上を目指し、1日1時間の英語学習を3年間継続しました。その結果、TOEICスコアを450点から780点にまで伸ばすことができました。
このように目標に対して計画的に取り組み、習慣として継続することで結果を出せた経験があります。与えられた業務に対しても、日々の積み重ねを大切にしながら粘り強く向き合い、着実に成果を出せる自信があります。
💡Point
- 「どのような目標に」「どれくらいの期間」
取り組んだかを明確に - 壁にぶつかったときの工夫や
乗り越えたプロセスを入れる - 最終的な成果と、
それが今後どう活きるかを示す
一度決めたことを継続し、成果につなげる姿勢は、信頼を築き長く活躍できる人材である証明になります。
継続力をアピールする際は、ただ「続けた」だけでなく、「継続がもたらした成長」や「困難をどう乗り越えたか」まで伝えるようにしましょう。
柔軟性(対応力)
想定外の事態や環境の変化にも落ち着いて対応し、柔軟に動ける力はどんな職場でも求められています。
特にチームワークや対人対応が求められる職種では、高く評価されやすい強みです。
私は予期せぬ状況でも冷静に対応し、柔軟に行動できる力があります。前職では、担当していたイベント当日に急な欠員が発生した際、急きょ別チームの業務にも対応することになりました。慣れない業務でしたが、マニュアルと周囲のアドバイスを頼りに迅速に動き、イベントを予定通りに進行できました。チームからも「頼りになる存在」と言っていただき、その後も複数の業務を任されるようになりました。
💡Point
- トラブルや変更への
対応経験を具体的に - 状況判断・行動・結果
の流れを明確に示す - 周囲との連携や信頼構築に
つながった点を含めると効果的!
柔軟性は、企業にとって「この人に任せても安心」「臨機応変に対応できる人材」といったイメージにつながる信頼の材料です。
行動の背景と結果までしっかり伝え、より説得力のある自己PRに仕上げるのが重要なポイントです。
問題解決能力
仕事を進める上で、課題やトラブルの発生は避けられません。
そんなときに状況を的確に把握し、自ら解決の糸口を見つけて動ける「問題解決能力」は、多くの職種で求められる力です。
私は、課題を分析して的確に対処する「問題解決力」に自信があります。前職では、社内システムのトラブルにより業務が滞ったことがありました。原因を整理し、部署ごとの影響範囲をヒアリングしたうえで、復旧までの代替案を複数提案。その中から、最も効率的かつ影響の少ない方法をチームとともに実行し、業務の遅延を最小限に抑えることができました。この対応を通して、他部署からも「対応力がある」と評価をいただきました。
💡Point
- 発生した課題とその深刻さを
簡潔に伝える - 自分がどのように
「分析」「判断」「行動」したか
を順序立てて記述 - 問題解決後の成果や
周囲からの評価まで述べると
説得力アップ!
課題への向き合い方と行動の工夫をしっかり具体的に伝え、「困難に強い人材」としての印象を与えましょう。
自分の強みと企業の特性を理解して、自己PRで出し抜こう!
自己PRは、単に自分の性格や能力をアピールする場ではありません。
企業が求める人物像に沿った「強み」を、根拠を持って伝えることが最重要。
そのため、自己分析のみならず応募先企業の社風や企業理念などの下調べも徹底的にしておく必要があります。
※以下の各行をクリックすると該当箇所に飛びます。
また、自己分析が不安な方は、無料の自己診断ツールを活用するのもひとつの手段です。
正しく、具体的に、そして企業に響く自己PRを仕上げ、他の応募者と大きく差をつけましょう。
自信を持って、次の就職・転職活動に臨んでください。応援しています!
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